案件は設計で決まる 【開業前に決めるべき戦略】

開業前に決めるべき戦略

不動産で案件が取れない人は、営業量を増やします。
しかし結果は出ません。なぜなら、案件は営業ではなく「設計」で決まるからです。


開業前に最も多く聞かれる質問が「案件はどうやって取るのか」です。しかし現場の実態は、想像以上に厳しいものです。

ポータルサイトに掲載すれば問い合わせが来ると思っていたが、反響はゼロ。チラシを配っても反応がない。知人に声をかけても案件にはつながらない。

この状態で1ヶ月、3ヶ月と時間だけが経過し、資金が減っていくケースは珍しくありません。そして多くの人はここで間違えます。

「もっと営業しなければ」と考え、ポスティング、SNS、一括査定、飛び込み営業と手を広げていきます。しかし結果は変わりません。

むしろすべてが中途半端になり、どの施策も成果が出ない状態に陥ります。

この問題の本質は努力不足ではありません。「案件がどこから来るのかを設計していないこと」です。

不動産業は、動いた量に比例して成果が出る仕事ではありません。正しい導線に乗れているかどうかで結果が決まります。

現場で安定している業者は、例外なく案件の流れを持っています。

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■ 案件は「1つの供給ルート」に絞って設計する

案件を増やすために最初にやるべきことは、営業量を増やすことではありません。

やるべきことは「どこから案件を取るのか」を1つに絞ることです。不動産業において成果が出る人は、必ず特定の供給ルートを持っています。

例えば、買取業者から案件が流れてくる、税理士から相続案件が入る、投資家から継続的に依頼が来るといった状態です。

この状態は偶然ではなく、意図的に設計されています。重要なのは、以下の3点です。
・誰から案件をもらうのか
・どの種類の案件を扱うのか
・なぜ自分に案件が回るのか
例えば、買取業者から案件をもらうと決めた場合でも、「何でもやります」では意味がありません。

空き家なのか、再建築不可なのか、相続案件なのか、扱う領域を明確にする必要があります。さらに、「なぜあなたに振るのか」という理由も必要です。

対応スピードなのか、価格なのか、専門性なのか。この理由が明確でなければ、継続的な紹介は生まれません。複数の手法を同時にやると、この設計が崩れます。

結果として、すべてが中途半端になり、案件は増えません。だからこそ、最初は1つに絞ることが最も重要です。


■ 不動産案件が流れる3つのルートと現場の力学

不動産の案件は、大きく分けて3つのルートから発生します。

1つ目は、一般ユーザーからの直接依頼です。

2つ目は、業者間の紹介です。

3つ目は、既存顧客や投資家からのリピートです。

この中で、開業初期に最も現実的なのは業者間ルートです。一般ユーザーからの依頼は、広告費と信用力が必要になります。

ポータルサイトや一括査定サイトを使う場合、月額で10万円から30万円以上かかることもあります。

さらに、大手業者と競争する必要があります。

一方、業者間には紹介文化があります。買取業者や建売業者は、すべての案件を自社で処理できるわけではありません。

エリアが違う、価格が合わない、リスクが高いなどの理由で、外部に案件を振ることが日常的にあります。

また、司法書士や税理士も同様です。

相続や債務整理の中で不動産が発生した場合、自ら売却はできないため、信頼できる業者に紹介します。

ここで重要なのは、「紹介される理由」です。紹介は義理ではなく合理で動きます。
・この人に振れば早い
・この人に振ればトラブルが少ない
・この人に振れば処理が進む
このように思われることで、初めて案件が流れます。つまり、不動産の営業とは「売ること」ではなく、「任せてもらうポジションを作ること」です。


■ 案件0から月4件に増えた営業設計と年間12件成約の専門特化

実際の現場で成果が出た事例を紹介します。ある開業者は、開業直後にポータルサイトとチラシに依存していました。

広告費は月15万円、3ヶ月で45万円を投下しましたが、問い合わせは3件、成約は0件でした。そこで戦略を見直し、業者間ルートに特化しました。

まず、エリア内の買取業者30社をリストアップしました。

そして1日5社ずつ訪問し、「扱いにくい案件があれば紹介してください」と伝えました。その後、週1回の連絡を継続し、
・対応可能な案件
・過去の対応事例
・レスポンスの速さ
を共有し続けました。結果として、2ヶ月後から案件が流れ始め、
・月4件の案件流入
・そのうち1件成約
・仲介手数料約90万円
という状態になりました。さらに別のケースでは、「再建築不可」に特化した事例があります。再建築不可とは、建築基準法の接道義務を満たしておらず、新築ができない土地です。多くの業者が扱いを避けるため、流通しにくい領域です。しかしこの開業者は、この分野に特化しました。
・再建築不可の判断基準を習得
・専門性を明確に伝える
・査定を即日対応
これを徹底した結果、
・年間12件の成約
・1件あたり50万円から100万円の手数料
という実績を作りました。共通しているのは、「努力量」ではなく「設計」を変えた点です。


■ ポイント

案件は「営業量」ではなく「設計」で決まります。
この設計ができていない状態で動くと、どれだけ頑張っても結果は出ません。

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■ 実務の流れ

案件取得の設計は、以下の流れで行います。

まず、「誰から案件をもらうか」を決めます。

デベロッパー、買取業者、司法書士、税理士、投資家など、ターゲットを明確にします。

次に、「扱う案件の種類」を決めます。

建売、空き家、相続、再建築不可など、1つに絞ることが重要です。

その後、ターゲットとの接点を作ります。

訪問営業が最も効果的ですが、電話や紹介でも問題ありません。

重要なのは接触回数です。接点ができたら、関係性を構築します。週1回の連絡を継続し、存在を忘れられない状態を作ります。並行して、対応体制を整えます。

査定スピード、レスポンス、資料の質を高めます。

そして、1件でも成約を作ります。

この実績が信頼となり、次の案件につながります。

この流れができれば、営業は「取りに行くもの」から「流れてくるもの」に変わります。


■ 実務メモ

・案件は営業ではなく紹介で増える
・最初は訪問営業が最も効率が良い
・週1回の接触を3ヶ月継続すると関係が変わる
・レスポンスの速さだけで差別化できる
・強みは1つに絞ることで認識される


■ よくある失敗

最も多い失敗は、複数の手法を同時に行うことです。

ポータル、チラシ、SNS、紹介営業を同時に行うと、すべてが中途半端になります。その結果、どれも成果が出ず、「何をやってもダメ」という状態になります。

次に多いのが、「何でもやります」というスタンスです。一見すると柔軟に見えますが、紹介する側からすると非常に使いにくい存在です。

どの案件を振ればいいのか分からないため、結果として案件は来ません。

さらに、「継続しない」ことも大きな問題です。

1回の営業で案件が来ることはほぼありません。最低でも3ヶ月は関係構築に時間が必要です。

これらを回避するためには、
・1つに絞る
・継続する
・改善する
この3つを徹底することが重要です。


■ まとめ

案件の取り方の本質は、「営業」ではなく「設計」です。

どこから案件が流れるのかを決め、その流れの中に自分のポジションを作ることができれば、不動産業は安定して回り始めます。

逆に、この設計を曖昧にしたまま動くと、どれだけ努力しても単発で終わります。

重要なのは、量ではなく流れです。1つのルートに集中し、継続的に案件が流れる状態を作ること。

この考え方を持てるかどうかが、開業後の結果を大きく左右します。

開業後に必須になる「お金の管理」できていますか?

不動産業は「売上が上がっても手元にお金が残らない」ケースが非常に多い業種です。

  • 売上はあるのに利益が残らない
  • 経費の管理が曖昧
  • 税金で資金が一気に減る

これを防ぐためには、開業初期から「会計管理」を仕組み化することが必須です。


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