相場感を身につける方法

物件探しと不動産ポータルサイトの見方

「この物件は高いのか、安いのか」を判断するためには、相場感が必要です。

相場感がない状態で物件を見ると、提示された価格が妥当かどうか判断できません。

その結果、「なんとなく大丈夫そう」「営業マンがそう言うなら問題ないだろう」という感覚で進んでしまうことがあります。

しかし、不動産購入では、この「なんとなく」が後悔につながることがあります。

物件価格は数千万円単位です。

相場より300万円高く買ったとしても、月々の返済額にすると大きく見えにくいかもしれません。

しかし、売却時や住み替え時には、その差がそのまま家計に響きます。

相場感を持つことは、単に安い物件を探すためではありません。

価格の妥当性を判断し、営業マンの説明を自分の頭で確認し、納得して購入するための土台です。

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相場感があると、営業マンの説明をそのまま受け取るだけでなく、自分でも判断できるようになります。

ポータルサイトを継続的に見る

相場感を身につける最も手軽な方法は、ポータルサイトで同じエリア、同じ条件の物件を継続的に見ることです。

SUUMO、HOME’S、アットホームなどで、希望エリア、価格帯、築年数、広さ、駅距離をある程度固定して検索します。

最初は、どの物件が高いのか安いのか分からなくても問題ありません。

同じエリアの物件を毎週見続けることで、「このあたりの築20年・3LDKなら大体このくらい」という感覚が少しずつ育っていきます。

相場感は、1日で身につくものではありません。

しかし、1ヶ月から2ヶ月ほど継続して見るだけでも、価格の違和感に気づけるようになります。

たとえば、同じ駅徒歩10分以内でも、南向き、角部屋、駐車場付き、リフォーム済みなどの条件によって価格が変わることが分かってきます。

反対に、価格が安い物件には、築年数、駅距離、道路条件、管理状態、土地形状、再建築の可否など、何らかの理由があることにも気づきます。

ポータルサイトを見る目的は、物件を探すことだけではありません。

価格と条件の関係を体で覚えることも、大切な目的です。

見るポイント 確認する内容
エリア 駅、学区、生活利便性による価格差
築年数 築浅と築古でどの程度価格が違うか
広さ 専有面積や土地面積による価格差
駅距離 徒歩圏かバス便かによる違い

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相場感は、同じエリアの物件を見続けることで育ちます。最初は分からなくても大丈夫です。

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売出し価格と成約価格は違う

相場を見るときに必ず理解しておきたいのが、売出し価格と成約価格の違いです。

ポータルサイトに掲載されている価格は、売主が希望している売出し価格です。

一方で、実際に契約が成立した価格が成約価格です。

この2つは一致することもありますが、必ずしも同じではありません。

売主が高めに出して様子を見ることもありますし、販売期間が長くなれば価格改定が行われることもあります。

また、購入申込の段階で価格交渉が入り、売出し価格より低い金額で成約することもあります。

つまり、ポータルサイトだけを見ていると、「売主が希望している価格」を相場だと思い込んでしまう危険があります。

より現実的な相場を知るには、実際の取引価格を確認することが有効です。

国土交通省が提供している不動産取引価格情報検索では、過去に実際に取引された価格を確認できます。

エリア、物件種別、面積、築年数などを見ながら確認すると、売出し価格ではなく実際の成約水準に近い感覚をつかみやすくなります。

不動産価格を見るときは、「売出し価格」と「成約価格」を分けて考えることが重要です。

価格の種類 意味
売出し価格 売主が希望している掲載価格
成約価格 実際に契約が成立した価格
価格改定後の価格 販売途中で値下げされた価格

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ポータルに出ている価格は、あくまで売出し価格です。実際にいくらで売れたかも見ると、相場感がかなり現実的になります。

取引価格データやマンション情報も活用する

相場確認の精度を上げたい場合は、ポータルサイトだけでなく、取引価格データやマンション情報も活用します。

国土交通省の不動産取引価格情報検索では、実際に取引された不動産の価格を確認できます。

売出し価格ではなく成約に近いデータを見られるため、現実的な相場感をつかむうえで役立ちます。

ただし、個別の物件名や部屋番号までは特定できないため、あくまでエリア全体の傾向を見るための資料として使うのが現実的です。

マンションの場合は、同じマンション内の過去の売買事例を見ることも重要です。

同じマンションでも、階数、方角、広さ、リフォーム状態、眺望によって価格は変わります。

それでも、同じ建物内の過去事例は、価格判断のかなり強い参考材料になります。

また、レインズの一般向けマーケット情報や、マンションレビュー系のサービスを使うことで、エリア別、築年数別、マンション別の相場感を補うことができます。

不動産価格は、1つの情報だけで判断するとズレやすいです。

ポータルサイト、取引価格データ、マンション内事例、営業マンからの成約情報を組み合わせることで、より精度の高い判断ができます。

情報源 使い方
ポータルサイト 現在の売出し価格を把握する
不動産取引価格情報検索 過去の成約価格の傾向を見る
マンション内取引事例 同じ建物内で価格水準を比較する
営業マンからの情報 直近の成約状況や売主事情を確認する

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相場は1つのサイトだけで判断しないほうが安心です。売出し価格と成約価格を両方見ると、判断の精度が上がります。

相場感があると違和感に気づける

相場感を持ったうえで物件を見ると、見え方が変わります。

たとえば、「この物件はこのエリアにしては少し高いな」と感じることがあります。

また、「この価格帯にしては広いけれど、なぜだろう」と疑問が出ることもあります。

この違和感こそが、物件の本質を見抜く入口です。

価格が高いなら、なぜ高いのか。

駅距離、築年数、土地の広さ、南向き、リフォーム済み、学区、眺望など、理由が説明できる高値なら納得できます。

一方で、理由が薄いのに高い場合は、売主の希望が強く出ている可能性があります。

反対に、相場より安い物件にも理由があります。

再建築不可、道路条件、借地権、管理状態、騒音、傾斜地、心理的瑕疵、修繕リスクなど、見えにくい事情が隠れている場合があります。

相場感があると、安い物件を見ても単純に飛びつかず、「なぜ安いのか」を考えられます。

不動産購入では、この問いを持てるかどうかが重要です。

営業マンと話すときも、相場感があれば質問の質が変わります。

「この価格は周辺と比べてどうですか」ではなく、「同じエリアの築20年前後と比べると少し高く見えますが、理由は何ですか」と聞けるようになります。

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相場感があると、「高い」「安い」だけでなく、「なぜこの価格なのか」を考えられるようになります。

まとめ

相場感は、不動産購入で後悔しないための重要な判断材料です。

相場感がないまま物件を見ると、提示された価格が妥当かどうかを判断しにくく、営業マンの説明に流されやすくなります。

まずは、ポータルサイトで同じエリア、同じ条件の物件を継続的に見ることから始めましょう。

1ヶ月から2ヶ月ほど見続けるだけでも、価格と条件の関係が少しずつ分かるようになります。

また、ポータルサイトの売出し価格だけでなく、実際の成約価格にも目を向けることが大切です。

国土交通省の不動産取引価格情報検索や、マンション内の過去事例などを活用すると、より現実的な相場感をつかみやすくなります。

相場感が身につくと、物件を見たときに違和感に気づけます。

高い理由、安い理由を考えられるようになり、営業マンへの質問も具体的になります。

価格を自分で判断できる状態で物件探しを進めることが、対等な立場での交渉と納得できる購入につながります。

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