媒介契約を獲得する方法【査定と媒介取得の実務③】

査定と媒介取得の実務

査定をして、説明もしたのに、なぜか媒介が取れない。この悩みは開業直後の営業が必ず直面する壁です。

現場ではよく、「良い提案をしたのに他社に負けた」「価格も悪くなかったのに決まらなかった」という声を聞きます。しかし、その多くは提案内容ではなく、“取り方”の問題です。

媒介契約は、最後にサインをもらう行為ではありません。査定の段階からすでに始まっており、説明、ヒアリング、提案のすべてが積み重なった結果として成立します。

つまり、媒介は“取りにいくもの”ではなく、“自然に選ばれる状態を作るもの”です。

ここを勘違いすると、最後に無理に押したり、価格で勝負したりしてしまいます。その結果、無理な条件で媒介を取り、後で苦しくなります。

逆に、正しい流れを理解していれば、強く営業をかけなくても媒介は取れます。

媒介契約の取り方とは、クロージングの技術ではなく、「信頼と納得の設計」です。この構造を理解することが、安定した営業の第一歩になります。

ラボ子

媒介って、最後に取りにいくものじゃないんだよね。
査定の時点で、もうほぼ決まってる。
選ばれる流れを作れてるか、それだけ。


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■ 媒介は「最後にお願いする」のではなく「途中で決まる」

媒介契約が取れるかどうかは、最後の一言では決まりません。

査定から説明の流れの中で、ほぼ決まっています。

多くの営業は、最後にこう言います。

・ぜひ弊社にお任せください
・ご検討ください

しかし、この時点で勝負が決まっていない状態は、ほぼ負けています。

なぜなら、売主の中で比較が終わっていないからです。

媒介を取るためにやるべきことは、途中で「この会社に任せる理由」を作ることです。

具体的には、

・判断基準を提示する
・選択肢を整理する
・リスクまで説明する

この3つを行うことで、

売主の中で「この人が一番わかりやすい」「この提案が一番納得できる」という状態が生まれます。

この状態になれば、最後のクロージングはシンプルです。

・この方向で進めましょう

これだけで成立します。

媒介は、押して取るものではなく、「決まっている状態を作るもの」です。


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■ 媒介取得がうまくいく営業の構造

媒介取得が安定している営業には共通点があります。

それは、「比較の主導権を握っている」ことです。

売主は複数社に査定を依頼します。

このとき、

・価格で比較される営業
・内容で比較される営業

に分かれます。

価格で比較されると、

・高い会社
・印象の良い会社

が選ばれます。

一方で、内容で比較されると、

・説明がわかりやすい
・戦略が明確
・リスクも説明している

営業が選ばれます。

この違いは、説明の設計です。

例えば、

・なぜ価格が違うのか
・どの戦略が適しているのか
・どのリスクがあるのか

を整理して説明すると、売主は「比較できる状態」になります。

この状態を作れる営業は、価格競争から外れます。

つまり媒介取得とは、

「価格で勝つこと」ではなく「比較軸を変えること」です。


■ 媒介率30%から80%に改善したクロージング設計

ある営業は、査定件数はあるものの、媒介取得率が30%前後で停滞していました。

原因は明確で、最後に「ご検討ください」で終わっていたことです。

つまり、判断を売主に丸投げしていました。

そこで流れを変えました。

1.売却の優先順位を明確化
2.3つの戦略を提示
3.売主と一緒に選ぶ
4.その場で方向性を決定

この形に変更しました。

例えば、

・早く売るならこの価格
・バランスならこの価格
・チャレンジならこの価格

と提示し、

・どれが一番ご希望に近いですか

と確認します。

ここで選ばれた方向に対して、

・ではこの内容で進めましょう

と進めます。

この変更だけで、

・媒介率30% → 80%
・値下げ率も減少

という結果になりました。

ポイントは、「決めてもらう」のではなく、「一緒に決める」ことです。

この違いが、媒介取得率を大きく変えます。


■ 実務の流れ

媒介契約までの流れは以下の通りです。

工程 内容 ポイント
① 事前準備 査定資料・事例・価格帯を整理 準備の質がそのまま提案力になる
② ヒアリング 売却理由・希望条件・優先順位を確認 ここで方向性が決まる
③ 市場説明 相場レンジと現在の市場状況を説明 納得のベースを作る
④ 戦略提示 価格+販売期間をセットで複数提示 「選べる状態」を作る
⑤ 比較整理 各戦略のメリット・デメリットを説明 判断しやすく整理する
⑥ 選択 売主に方向性を選んでもらう 納得して決める状態を作る
⑦ クロージング 選択内容を前提に媒介契約へ進む 流れで自然に契約へつなげる

この流れを徹底することで、媒介取得は安定します。


■ 実務メモ

・媒介は最後ではなく途中で決まる
・必ず複数の戦略を提示する
・売主と一緒に決める形を作る
・価格ではなく納得で選ばせる
・クロージングはシンプルにする


■ よくある失敗

最も多いのは、「ご検討ください」で終わることです。

これは一見丁寧ですが、実務では弱い対応です。判断を売主に委ねると、他社との比較に負けやすくなります。

次に多いのが、押しすぎることです。

無理に契約を迫ると、その場では取れても、その後の関係が崩れます。

また、価格だけで勝負するのも失敗です。

高値査定で媒介を取っても、売れなければ意味がありません。

回避するためには、

・判断軸を提示する
・一緒に決める流れを作る
・最後はシンプルにまとめる

この3点を徹底することです。

ラボ子

「ご検討ください」で終わると、だいたい負けるよ。
決まる人は、その場で一緒に方向を決めてる。
最後はシンプルにまとめる、それだけ。


■ まとめ

媒介契約は、営業の結果ではなく、営業のプロセスそのものです。最後にどう言うかではなく、そこに至るまでにどれだけ納得を積み上げられたかで決まります。

価格で選ばれる営業は不安定ですが、納得で選ばれる営業は安定します。その違いは、説明と流れの設計にあります。

売主に判断を丸投げするのではなく、判断できる状態を作り、一緒に方向性を決める。このスタイルに変えることで、媒介取得は大きく変わります。

媒介を取りにいくのではなく、「任せたくなる状態を作る」。この意識が、営業を一段引き上げます。

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